一級建築士事務所良質住宅研究所 工夫のある家づくりと、資金面も含めた課題を解決できる家づくりのお手伝いをさせていただいています。
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長持ちする家が建てたいー1 日本の住宅の寿命

家に対する要望には、人によって様々あると思いますが、誰もが願う基本的な要望に
「長持ちする家を建てたい」 があると思います。あたり前と言えば あたり前の要望ですが
しかし 昭和40年代頃から主に都市部に大量に建てられた住宅は、残念ながら
「長持ちの家」 ではありませんでした。表ー1 は、住宅の平均寿命の国際比較を総務省が調べたものですが、日本の住宅の平均寿命は 30年 になっています。それに対して英国は 141年 と日本とは大きな開きがあります。また 住宅金融公庫の調査による 表ー2
「築後何年で建替えたか」 の調査でも、築29年以内で建替えている家の比率が 56%
にものぼります。この2つの調査結果からも、日本の住宅が 「長持ちの家」 でなかった事がわかります。

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長持ちする家が建てたいー2 日本の住宅の寿命が短い理由

日本の住宅の寿命が何故こんなに短いのか、それには いくつかの理由が考えられます。
先ず第一に、統計の対象と成っている住宅は、戦後以降の住宅不足の時代に建てられた
一定の大きささえあれば良い というような安普請の住宅が多かったため、その後 日本が
高度成長し、バブル期に至るまでの過程で、古い住宅が新しく建替えられて行ったという
事情があります。第二に、日本人の価値観や生活様式が急激に変化し、さらに日本人の
新しいもの好きの気質や、日本独自のプレハブ住宅や住宅展示場等の、自動車を買い替えるがごとき ニューモデルハウスの宣伝にひかれて、古い家の建替えが進んだという点も
あると思います。さらに 第三に考えられるのは、日本では 欧米と違って、中古住宅の
評価が低く、かつ中古住宅の市場としての受け皿がなく、中古住宅を活用する方向が
少なかった事もあったと考えられます。以上のような日本の住宅事情から 日本の住宅は
世界でも稀なほど短い期間で建替えられてきました。しかし ようやくこのような日本の住宅の傾向は、終わろうとしています。それは 少子高齢化や地球環境や地球資源を大切にしないとやっていけない時代が到来しようとしている事が、そうさせているように思います。
このような背景を受けて、政府も 住生活基本法 という法律を制定し、量から質への転換を
計ろうとしています。

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住宅の平均寿命 140年 といわれる イギリスの家

長持ちする家が建てたいー3 箱木千年家

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                     箱木千年家

神戸市北区に、築後500年になる住宅(民家) 箱木千年家 が現存しています。
日本の木造住宅では 最古のものだそうです。この家は 屋根は 茅葺、壁は 土壁 の
シンプルな木造です。室町時代に建てられたそうですが、ほんとうは 日本の木造は
長持ちすることを立証している建物です。木造はしっかり造れば、鉄筋コンクリート造より
長持ちしますよ。何故なら 鉄筋コンクリート造の建物で、築後200年超えている建物は
まだないぐらいですから。


長持ちする家の建て方-1 良い土地とは?

長持ちする家の条件として、初めに 良い土地を選ぶ という事が
大事です。家相でも、良い地相を表す 四神相応の地(南低北高の地)
という言葉や、悪い地相を表す 三愚の地 という言葉があります。
その家相の教えにも共通している 良い土地とは
水捌けが良く日当りが良く地盤がしっかりしている
の三拍子そろっている土地です。しかし、もしこの条件がそろっていない
土地を持っておられれば、それを建築的に補うということになります。

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長持ちする家の建て方-2 土地が道路や隣地より低い場合

すでに土地を所有しておられて、その土地に建物を建てる場合の
道路・土地・建物 の関係を考えたチェックポイントを説明します。
道路や隣地より自分の土地が低い場合、盛土によって道路より地盤面を上げる方法があります。また隣地に対しては、同じ地盤面にするという方法があります。盛土の方法が取りにくい場合は、基礎の立上り部分を上げて
1階床の高さを高くする方法があります。これは、1階床を高くすることで
家からでる配水管の勾配を確保して、排水の流れを良くしようということです。

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つまり道路や隣地より自分の土地が低い場合に、一番気を付けないと
いけないのは 排水 です。そこで自分のところの排水を流す公共下水管の管底の高さが、自分の敷地面からいくら下がっているかを
下水道局や下水道業者で事前に調べておくことが重要になります。

長持ちする家の建て方-3 地盤の強さを調べる

自分の土地の地盤について、どの程度ご存知でしょうか。
地盤調査をされていれば、地盤調査報告書 というものが提出されますので、その中に 地耐力 とか 土質 とかの調査結果が記載されています。
もし 地盤調査をされていなかったら、建築計画を進める前に必ず
地盤調査をしておきましょう。長持ちする家を建てるには、必ず必要です。費用は、スウェーデン式 というやり方で、5ヵ所調べて概ね 5万円~7万円 です。

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この調査から 地耐力土質 がわかります。
地耐力というのは、地盤が重さに耐える強さを表します。
例えば、50KN/㎡ というように表示します。これは 昔風に言えば
1㎡当り 5トン の重さに耐えられることを示しています。
木造3階建で おおよそ 1㎡当り 1.8t 程度の建物重量ですので
それに対する安全性を確認します。

長持ちする家の建て方-4 土佐の木材で構造材を見せた住宅を建てませんか!

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構造材を見せて生かす家づくりセミナー 資料より

11/24(金)に 構造材を見せて生かす家づくりセミナー に行ってきました。高知県の 嶺北木材共同組合 が主催で高知県も後援している
セミナーで、嶺北木材共同組合の理事長 田岡秀明氏 と 国産材コーディネーターの 戸塚元雄氏 のお話でした。
木の家で長持ちする家づくり を実践している私としても興味深いお話で
大いに賛同できる内容でした。
もし私のブログを見て頂いてる方で、構造材を見せた住宅を建てたいと
思っておられる方がおられましたら、一緒に土佐の木材で 温かみ
あって 健康的長持ちする木の家 を建てませんか。
もし 興味があるようでしたら、ご連絡ください。


                       

長持ちする家の建て方-5 土質と盛土切土を調べる

地盤の土質によって、建物に与える影響は違います。
例えば、砂質の地盤でゆるい地盤は、地震の時に 液状化 することがありますので、精密な検討が必要になります。また粘土質の地盤で軟らかい
地盤は、不同沈下 のおそれがないかの検討が必要な場合もあります。
また 粘土質地盤は、雨水が浸透しにくいので、敷地の水捌けが悪いので 地表面の排水について十分な配慮が必要です。さらに 地盤が盛土や
埋戻し土の場合や、盛土と切土が敷地内でわかれている場合等は
不同沈下のおそれがありますので、その状況を踏まえた地盤改良や
基礎設計が必要になります。

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長持ちする家の建て方-6 長持ちする基礎

現在の住宅基礎は、鉄筋コンクリート造の 布基礎ベタ基礎
一般的です。その基礎の役割は、建物の重さを均等に地盤に伝えて
建物を安定させることと、風の力で建物が吹き上げられないようにする
ことです。長持ちする家 の文字通り礎となる基礎の設計は、地盤の強さ
(地耐力) と 建物の重さ との最適のバランスを設計することにあります。

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長持ちする家の建て方-7 自然環境との調和

家の設計は、日射・風・雨・雪 などの自然の影響と、いかに旨く付き合うかに掛っています。例えば 家を南向きに建てるのは、太陽の光(日射)を できるだけ長く家の中まで取り込むための建て方です。しかし 同じ日射でも、夏の西日は防ぐようにします。風に対しても、沖縄のように台風の多い地方では、軒の高さが低く、屋根は瓦を しっくい で固めて、敷地廻りを
石垣でめぐらせた、風の影響を受けにくい家が建てられています。
又 東北 仙台平野の いぐね のように、防風林を家の廻りに設けて
風を防ぐようにしている建て方もあります。さらに 雨の多い地方では、
水捌けや排水を配属して、低地には家を建てないで、高台に家を建てる
ようにしているとか、豪雪の地方では、屋根の勾配をきつくして、雪が
すべり落ちやすいようにしたり、軒先のところでは、逆に雪止めを設けて、軒先が雪の重みで壊れないようにしたりと、それぞれの自然にあわせて、家は建てられてきています。このように家は、建てる場所の自然条件に
あわせて、旨く自然条件と付き合えるように設計されなければ
長持ちする家は できません。

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長持ちする家の建て方-8 隣接地との関係

家を設計するにあたり、接する道路隣接する土地建物樹木 のことも配慮する必要があります。道路と敷地との高低差や道路の交通量、
さらに街路樹木のあるなし、また隣接する土地との高低差や擁壁や
石垣の状態。隣接する建物の外観形状や樹木の生育状況等も、これから建てようとする建物に少なからず影響があります。特に、隣接する建物の窓の位置やバルコニー等の位置は、視角的に心理的な影響が考えられます。また 最近良く問題になる、防犯上の死角を作らない配慮についても
検討する必要があります。さらに 密集住宅地の場合は、火災時や地震時の避難経路や消防救助活動の阻害要因を作らないことについても、
当然 配慮が必要です。日本のように市街地戸建住宅が多いところでは、隣接地を無視しては、家の設計は できないと言っても過言ではありません。このこともまた、この家に長く住みたい思える環境につながる要因です。

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長持ちする家の建て方-9 家の構造選び

住宅の構造は、構造の骨組を構成する素材の種類と、その骨組の作り方や組み方の種類との組合せで、色々に区分されます。
例えば、構造の材料が 木造 の場合であれば、骨組の作り方や組み方で、在来工法 とか 軸組工法 とか、2×4 とか 木質プレハブ工法 というように分れます。
鉄骨造 であれば、重量鉄骨造ラーメン工法 とか 軽量鉄骨プレハブ工法 というような具合です。
税法上の耐用年数は、鉄骨コンクリート造が 60年 、重量鉄骨造が 40年 、木造が 24年 と定められていますが、必ずしも長持ちする構造が、
耐用年数と比例する訳では ありません。

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長持ちする家の建て方-10 木の腐れと白蟻

木の家は、阪神大震災の影響もあって、長持ちしないような風潮が
ありますが、現実には 木は、2000年以上も生きる強い生命力がある
ことや、伐採されてからも生き続け、200~300年 経ったときに強度が
いちばん増すという、神秘的な材料であることが解明されています。
そして木は、自然再生が可能な唯一の建築構造材です。しかし その木の生命力と強度を害うのが、木を腐らす 腐巧菌白蟻 です。
腐巧菌は、気温24度以上・湿度85%以上 のときに盛んになるので、
その状況をつくらないような木部(躯体)に対する防湿と結露防止設計や、床下の防湿施工が有効な方法です。つまり木が乾いていれば、腐巧菌に
とっては、水分が不足しているので繁殖できません。このことは白蟻にも
当てはまり、水分補助できなくすることが重要です。
その上で腐巧菌や白蟻から木を守るために、木部の防腐 防蟻処理を
行ないます。そして定期的な防腐 防蟻の検査(5年に一度)と
再処理等の対応も、家を長持ちさせるには欠かせません。

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       シロアリの被害


長持ちする家の建て方-11 樹種による耐用年限

木は、樹種によって耐腐性に差があります。
また防腐処理の方法によっても耐用年限は違います。
下の表 a が、屋外の土に接する部分で放置した場合の耐用年限で、
土に接しなければ、この値の2倍程度の耐用性があると考えられます。
b の防腐処理した木材には、JASマーク品 や AQマーク品 が
品質性能の認証を受けたものです。性能区分は K1~K5 までに
分けられています。c は、土台の樹種による耐用年限を表したものです。

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長持ちする家の建て方-12 柱1本の強さ

木造の家の構造上の特徴は、柱が沢山使われる構造であることです。
そのため1本の柱に力が集中する鉄骨造や、鉄筋コンクリート造ラーメン構造に比べて
荷重が分散して、掛かり柱1本が負担する力は小さくてすむ安定した構造です。
下の表は、木造の柱の大きさと樹種ごとに柱が負担できる荷重を表した表です。

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長持ちする家の建て方-13 トヨクニハウス

大阪では、恐らく 最も古い 鉄筋コンクリート造(RC)アパートが、トヨクニハウスだと
思います。昭和6年(1931年)竣工ですから、築76年ということになります。
大阪市都島区高倉町1丁目に建っている、4棟の民間アパートがトヨクニハウスです。
建物は、中央に階段室を配置した左右対称のプランになっています。
そして、鉄筋コンクリート造の玄関にあるトヨクニハウスの切文字や、ポイント的に使われて
いる鉄のバーで区分された丸窓が、とっても印象的です。
設計者は不詳だそうですか、建物を見ていると設計者の遊び心が感じられて、
共感してしまいます。こんな遊び心も、長持ちする家の建て方の要素かもしれません。

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