住宅にできる地球温暖化対策
ある会社の地球温暖化対策を訴える広告
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地球温暖化が進んでいるニュースが
毎日のように 新聞・テレビ・ラジオ から流れています。
そこで建築に携わるものとして、住宅建築ができる地球温暖化対策には
どんなことがあるかについて考えてみました。
項目的には
①住宅建築の過程での、消費エネルギーと炭素放出量の削減
②住宅の長寿命化を計ることでの
地球資源保護と建築消費エネルギーの削減
③住宅の設計仕様によって、熱損失を防ぐことで
消費エネルギーと炭素放出量を削減
④雨水を再利用しての節水
⑤自然の力をエネルギーに変換
の、5項目が考えられます。
そこで、これらの項目一つ一つについて
具体的なデータで説明して行きたいと思っています。
次回は、①の住宅をつくることに掛かる
消費エネルギーや炭素放出量を削減する方法 について お話します。
地球温暖化対策ー住宅建築の過程での消費エネルギーと炭素放出量の削減
住宅1棟を建築すると、どれくらいの炭素を放出するのでしょうか。
これを、住宅の構造別に算出したデータが下図です。
このデータは、各構造に使っている、材料の製造時に放出される
炭素の量を計算したものです。
この結果から、木造住宅を建築することが、他の構造の住宅を建築する
ことに比べて、いかに 地球温暖化対策 になるかがわかります。
冷房の温度を1℃高く、暖房を1℃低くして、削減できる CO2 が
年間で約31kgと言われていますので、その数値にあてはめて
考えてみれば、住宅1棟を 鉄筋コンクリート造 から 木造住宅 に
変えることで削減できる 製造時炭素放出量16678kg は
538戸(538×31kg=16678kg)の住宅が、年間冷暖房温度を
1℃節温した効果によって削減できる CO2 の値に、ほぼ等しいと
いうことになります。
地球温暖化対策ー各種材料製造における、消費エネルギー量と炭素放出量
住宅に使われる材料の製造時における
消費エネルギー量 と 炭素放出量 のデータがあります。
このデータを見れば、コンクリート や 鋼材 や アルミ という
建築には、なくてはならないと思っている材料が、いかにエネルギーを
消費し、炭素を放出する材料であるかが わかります。
逆に木材は、製造時の 消費エネルギー量・炭素放出量 共に少なく
その上、木材自身が炭素を蓄積しているので
木材を有効に利用することが、地球温暖化対策にとって
とても大事なキーワードだと、私は思っています。
地球温暖化対策ー木造住宅は炭素を蓄えています。
木は 長年にわたり、二酸化炭素を吸収し貯蔵しつづけています。
その木が木材になり、木造住宅になっても、木材の中に蓄えられた
炭素は そのままです。
延床面積136㎡(41坪)の木造住宅には、約24㎥の木材が使われて
いますので、蓄えている炭素は 約6t にもなります。
日本人 一人当りの年間での二酸化炭素発生量が 約2.6t ですので
木造住宅1軒で、一人が排出する二酸化炭素の2・3年分を貯蔵し
空気を浄化してくれていることになります。
地球温暖化対策ー再生可能な建築資材 木材
建築に使用する材料の中で、唯一 再生可能な材料が木材です。
そして 木を再生し続けながら、木材として使用すれば
大気への炭素放出の抑制に大いに役立ちます。
日本の国土の67%が森林で、約2500万ヘクタールの面積に
のぼります。また 日本の森林の内、国有林と公有林が約40%
民有林が60%です。その内、主として木材として使う人工林が
約1000万ヘクタールを占めています。
これだけの人工林を持つ国は、世界で四ヶ国だけで
日本は、人工林という天然資源の大国と言えます。
しかし 平成9年の木材の国内自給率は、20%を割り込んでいます。
このあたりの改善も、日本の地球温暖化対策につながります。
そのためには、国産材を有効利用して、木造の家を建てることが
私達 住宅建築に携わるものにできる、地球温暖化対策です。
地球温暖化対策ー住宅を長持ちさせて長く使う
住宅ができる 地球温暖化対策 の一番は、木造の家づくりと
お話しましたが、日本では、そんな木造住宅を 26年から30年 で
建替えてきました。これでは、折角 木造住宅を建てても 結局は
地球温暖化防止に逆行してしまいます。
そこで、住宅の寿命をもっと長くできるような造り方と、長く使える造り方が必要です。
下記の表は、各国の住宅を建替えるまでの年数の表ですが
日本の住宅が諸外国に比べて、いかに短い年数で建替えられてきたかがわかります。この辺りを、多いに見直す必要があります。

地球温暖化対策ー住宅を長持ちさせるには
住宅を長持ちさせるには、どうすれば良いのでしょうか。
それには、色々な事が考えられますが
私は、下の写真の家にヒントがあると思います。

箱木千年家

箱木千年家の座敷
写真は、兵庫で保存されている、築500年になる民家 箱木千年家 です。私は、日本の気候風土で住宅を長持ちさせるには、箱木千年家のように
人に優しい、風通しの良い家 にすることだと思います。
そうすると、木にも湿気がたまりませんので、腐朽菌や白アリも
生育しにくくなり、木の家が長持ちします。
そして それは、地球温暖化対策になると思います。
地球温暖化対策ー住宅の耐用年数
日本で、法的に定められた住宅の耐用年数には
以下のようなものがあります。
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この表は、固定資産税 等の基準になる
減価償却の計算の元になるものです。
木造で24年、軽量鉄骨系プレハブ(鉄骨造3mm以下)で20年です。
つまり ほとんどの住宅が、20年から24年で減価を償却しているという
考え方で、これが日本の住宅が、平均26年から30年で建替えられている原因になっているのかも知れません。
地球温暖化対策ー住宅の長寿命化のキーポイントは風
木材が長寿命の構造材であることは、法隆寺 や 箱木千年家 といった
建築の事例から証明されていますが、しかし その木材を健康な状態で
維持するためには、現代住宅なりの設計と工夫が必要です。
そのキーポイントとなるのが 風(通気) です。
木材に、適度な通風を与えることのできる設計や、壁体内部・室内・床下
についても、通風できる構造が必要です。
高温多湿な日本においては、必須の条件です。

日本の気候風土を生かした建物として有名な正倉院は、軒が奥く高床で
壁は校木(あぜぎ)という、三角形断面の材で構成される校倉造りで
宝物に対する湿気を防ぐことを考えて建てられた倉庫です。
建立時期は不明ですが、756年以前と言われています。
風を旨く生かした建築です。
地球温暖化対策ー住宅の長寿命化のための設計とは
どんな設計をすれば、50年・100年 と長く使える住宅をつくることが
できるのかを、まとめてみました。
①地盤の状況に応じた適切な基礎設計
②バランスの良い構造計画と耐震設計
③メンテナンスのしやすさと、耐久性に配慮した外殻(屋根・外壁・建具)
の選択
④気候風土に適した断熱・通気設計
⑤自然環境と天然素材を生かした設計
⑥将来の暮らし変更と、使い勝手に配慮した設計
⑦給排水・電気・衛生設備・住宅設備機器 のメンテナンスと取替えに
対応しやすい設計
以上の項目が、あげられると思います。
そして、その設計に基づいた適切で良質な施工で
工事が行われることです。
ごく当り前の事ですが、その当り前の事が、長持ちする住宅づくりには
最も大事な事だと、私は 常々痛感しています。

1564年に シェイクスピア が生れた家
地球温暖化対策ー住宅を長持ちさせるためのメンテナンス
住宅を長持ちさせるためには、適時のメンテナンスが大事です。
どんなに丈夫な家を作っても、メンテナンスなしと言う訳にはいきません。
家の窓を時々あけて風を通してやることも、家のためには大事な
メンテナンスです。
下の表は、住宅を長持ちさせるための、お手入れ・修繕 の目安表です。
あくまで目安ですので、それぞれの家によって違ってきますが
この表のような、お手入れや修繕を心得ておいて
適時にメンテナンスすると、住宅は長持ちします。
尚 この表にはありませんが、しろあり除去は、現在の薬剤は5年間が
再施工の保証期間ですので、新築後5年を経過するあたりで
点検が必要です。
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地球温暖化対策ー壁面緑化
甲子園球場の蔦のように、壁面を緑化しますと
蔦が夏の日射を遮音し、冬は蔦が落葉性ですので
日射をさまたげないという効果があります。
さらに、蔦と外壁の間に自然の空気層ができますので
その効果もあって壁面緑化は、建物の省エネルギー化に
大いに役立つ、パッシブなシステムです。

甲子園球場 名物の蔦

ワイヤーを使った 壁面緑化システム
地球温暖化対策ー屋上・屋根緑化
屋上や屋根を緑化することで、日射の建物への影響をやわらげ
また芝生から水分が蒸発する時に、地表の熱を奪いますので
冷却効果も得られます。
このような事から、屋上・屋根緑化によって冷暖房が削減でき
省エネルギーな建物が実現できます。

屋根を緑化した建物
しかし、屋上や屋根緑化を行なう場合には、防水の選定と
防水層に根がまわらないようにする保護膜の施工。
さらに表面を覆う、植物や軽量土壌の選定が大変重要です。
そして、それによって建物に掛る重量が決まりますので
それを考慮した構造設計が必要になります。
地球温暖化対策ー自然の恵みを活かす・雨水
住宅で比較的 簡単に、自然の恵みを活かせるのが、雨水の利用です。
最近は、様々な雨水貯水用のタンクが発表されています。
使用目的や設置場所、希望する用途によって選ぶことができます。
仕組みは、住宅の竪樋に専用の集水継手を接続して、タンクに呼び込む
形で、タンクが満水になると、オーバーフロー機能で雨水は
そのまま樋を流れるようになっています。
飲用以外の庭の散水や、防火用水、非常用水として使用でき
水道代の節約や節水になります。

セキスイの雨水貯水タンクと
タキロンの雨水貯水タンクです。
地球温暖化対策ー自然の恵みを活かす・風力発電
風の力で発電する風力発電が、日本でも、あちらこちらで見かけるように
なってきましたが、住宅の屋根やベランダに設置できる家庭用タイプの
風力発電システムも販売されています。
特に、風力発電と太陽光発電を組み合せた ハイブリッド発電システム というタイプでは、平均風速1.3(w/s) で8時間風が吹き、3.5時間の日照があったとした時に、一日の発電量が 330(wh) 得られるそうです。
この発電量を、電気製品が何時間使えるかに置きかえると
20Wの蛍光灯で16.5時間、液晶テレビで18時間になります。
建築場所が、有効に風を活かせる場所であれば、風力発電は
省エネルギーで自然を活かすシステムだと考えますが、いかがでしょうか。

太陽光発電との併用タイプの
家庭用風力発電(ゼファー社製)
地球温暖化対策ー自然の恵みを活かす・太陽光発電
太陽光で発電する太陽光発電システムは、自然の恵みを生かす
最も省エネルギー効果のある方法です。
最近では、太陽光発電システム+オール電化エコキュートの組合せで
光熱費ゼロも可能という、宣伝をしている住宅メーカーもあります。

太陽光発電システムを屋根に設置した住宅
地球温暖化対策ー太陽光発電で光熱費ゼロ
太陽光発電システム と オール電化、エコキュート のシステムを
高気密高断熱性能の住宅に装備すれば
「光熱費はゼロにできるのか」 を考えてみます。
1世帯の年間平均消費電力量と
太陽光発電システムの年間発電量の関係
1年間の1世帯あたりの年間平均消費電力量は
住環境計画研究所 「家庭統計年報」 によりますと 約4500kwh です。
これは、太陽光発電システムの 4kw仕様 以上のシステムで
ほぼ まかなうことができます。
例えば、シャープの 4.28kwシステム LN428-ND153AU
(太陽電池モジュール)×28枚(南面設置、傾斜度30°) で
大阪の日射データで算出した予測発電電力量は、4582kwh です。
(シャープのデータ)
これを年間の電気料金に換算すると 約10.7万円 になります。
つまりは、年間の電気代がこれ以下で収まれば
光熱費はゼロという事になります。
地球温暖化対策ー太陽光発電の取付角度
太陽光発電システムの、発電効率を最大限に生かすためには
天空に対する太陽光パネルの 傾斜角 と 方位 を
一番 太陽を受けるように設置することが大事です。
年間発電電力量は、傾斜角30°真南を100% として算出しています。
地球温暖化対策ー太陽光発電とオール電化住宅
太陽光発電を設置して、光熱費ゼロを実現するためには、太陽光発電の設置容量や効率と共に、住宅を電気設備のみにする必要があります。
そのためには、給湯システムもガスではなく、電気温水器や
ヒートポンプ式電気給湯器(エコキュート)のような貯蔵式の給湯になり
また調理器具も、ガスコンロのような直火式ではなく
IHコンロに変わります。
そしてこのように、住宅をオール電化にすると
はぴeタイム(季節別・時間帯別・電灯料金) や はぴeプラン 等の
割安電気料金の適用が受けられます。
そのため、太陽光発電によって得られた電力や、余った電力を
電力会社に売って得られた電力料金とを、相殺してゼロになれば
光熱費ゼロが実現します。


