一級建築士事務所良質住宅研究所 工夫のある家づくりと、資金面も含めた課題を解決できる家づくりのお手伝いをさせていただいています。

 

高気密住宅とは、どんな住宅

高気密住宅 についての明確な定義は、特にありませんが
国(経済産業省)が、平成4年に制定した 新省エネルギー基準
定められた気密住宅の基準では
床面積1㎡当たりの相当隙間面積が5.0c㎡以下の住宅 としています。
これを高気密の最低数値とするのが一般的です。
また 住宅性能表示制度 の 温熱環境等級4 は
地域Ⅲ~Ⅵ では、相当隙間面積5.0c㎡/㎡ をクリアした性能と
定めています。

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上の図は、様々な住宅ごとの隙間面積の割合を
中央の白い四角の面積で現しています。
そして、各住宅ごとの1㎡当たりの相当隙間面積が下の数値です。
また、その隙間で得られる自然換気の回数が上の数値です。
例えば、新省エネルギー機密住宅 の 0.5回/h というのは
住宅内の空気の半分が、自然に換気されることを現しています。


高断熱住宅とは、どんな住宅

高断熱住宅 についても、高気密住宅と同じように
明確な定義はありません。何故なら地域によって、断熱の必要な水準は
かわるためと考えられます。
しかし 地球温暖化防止のためには、住宅の省エネルギー化は
必須の事として、国(経済産業省)が、平成4年に制定した
新省エネルギー基準 の後、平成11年に制定した
次世代省エネルギー基準 があり、その基準で定める
Q値(熱損失係数)基準値 をクリアしていることが
高断熱住宅の条件とするのが一般的です。

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Q値(熱損失係数)は、室内外の温度差が1℃の時に
家全体から1時間に床面積1㎡あたりに逃げだす熱量のことを差します。つまり数値が小さければ小さいほど
熱が逃げにくい高断熱の住宅ということになります。


高気密 も 高断熱 も 地域によって違う

気密の程度 も 断熱の程度 も
気候の大きく違う日本では、一律で決められません。
そこで 次世代省エネルギー基準 では、日本を Ⅰ地域 から Ⅵ 地域
までに区分し、さらに 同一県内であっても気候が違う場合
市町村で地域区分されています。

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※出典 「財団法人 住宅 建築省エネルギー機構」

高気密 高断熱 のしくみ

高気密 高断熱住宅のメリット
住宅の気密性能を上げれば、室内の空気は、外に逃げにくくなります。
更にその室内の空気の熱が逃げないようにするには、断熱性能を上げて空気中の熱移動を防ぎます。つまり、気密性能を上げて均一な高断熱に
すると、家全体が上下共 均一な室温になります。
また冷暖房の効率も良くなります。部屋ごとの温度差も小さくなります。
これが 高気密 高断熱住宅 のメリットです。

24時間換気が必要になる訳
しかし人は、酸素を吸って炭酸ガスを排出します。これを新鮮な外気と
入れ替える必要があります。これが換気です。
気密性が高いと、建物の隙間だけでは、人が必要とする空気の入れ替わりが行えません。そこで24時間作動する換気扇が必要になります。
これが 24時間換気システム です。

熱交換型換気扇で熱ロスを防ぐ
しかし、冬場24時間外気を採り入れると、せっかく高断熱にしても
冷えた空気が入ってきます。そこで 外から入る空気の熱と、排出する
空気の熱を交換するシステムがあります。これが 熱交換型換気扇 です。
これによって 換気による熱ロスが防げます。

このように 高気密 高断熱住宅 では、換気までを含めたトータルな
システムが必要になります。以上の考え方を図で現わしました。

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夏暑い地域での、高気密 高断熱住宅

本来 高気密 高断熱住宅 は、カナダや北欧、北海道のような寒冷地向けの住宅であることは、言うまでもありません。
しかし日本の住宅が、自然の風を取り入れた夏向きの住宅から
プライバシー重視の閉鎖型で、電気や石油ガスを使用する冷暖房依存型の住宅に変化したために、そのエネルギーを節約する目的で
高気密 高断熱化 を計るという流れになってきました。
しかし本来が、寒冷地向けの手法である 高気密 高断熱住宅 も
地域の気候によって、様々な配慮が必要になります。
例えば、冬寒くて夏暑い地域で、高気密 高断熱 にする場合
日射の遮蔽を十分にしないと、室内が暑くなってしまいます。
また同じ理由から、屋根面も十分な遮熱 断熱が必要になります。

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日射熱の侵入を防ぐ
(出典 住宅・建築 省エネルギー機構)

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昔から行われている屋根面の遮熱
(出典 住宅・建築 省エネルギー機構)

温暖な地域では、高気密に こだわらない

比較的 温暖な地域では、窓を開けて風を取り入れる住まい方が
定着しています。このような地域では、高気密にこだわらず
しっかりした断熱の上で、日射の遮蔽や風通し通気に配慮した
設計を取り入れます。
このことは、沖縄やハワイのような地域の住宅をみればわかります。

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高気密 高断熱住宅の問題点

日本の気候条件における 高気密 高断熱住宅 には
様々な問題点があると言われています。
まだまだ解明されていないこともありますが
次のような点が指摘されています。

高気密にすると、室内の空気が汚れやすく、湿気も排出されにくいので
有効な 機械換気設計 が不可欠。

高気密にすると、揮発性のある有害物質 を含む 建材・家具・敷物
カーテン・調度品 を使うと健康被害につながる。

高気密にすると、家族全員が同じ空気を吸うので
風邪などが感染しやすい。

高気密 高断熱住宅では、夏の日射が厳しい地域では、内部にこもった熱が逃げにくいので、冷房費が増加することがある。

高気密 高断熱住宅では、夏に冷房によって室内側が低温低湿に
なると、外部や壁内部の水蒸気が、内部に入り込むことでおきる
内部結露 を起こすことがある。

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結論として、北海道において高気密 高断熱が導入された当時
壁内部や床が、内部結露をおこして落ちてしまうというクレームが
多発したことがありました。そんなことからも高温多湿の日本において
最も気をつける必要があるのが内部結露です。
それを防ぐためには、その地域の気候特性に応じた 気密・断熱・通風
通気・換気
を配慮して、設計施工することです。
全国一律の高気密 高断熱住宅を、という訳にはいきません。